ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

日経平均とTOPIXとJPX400の違い

こんにちは、らくからちゃです。

三連休、いかがお過ごしでしょうか?わたしは元気に三連勤中です\(^o^)/今日は『日経平均』『TOPIX』『JPX400』などの、各種指数についてちょっと書いてみたいかなあと思います。

株式市場の代表的なインデックスについて

 さて、統計情報などを見るときに、株式市場全体の値動きを見るのによく使われるのが『日経平均株価』ですね。安倍ちゃんも随分その動向にご執心のご様子です。最近では、個別の銘柄ではなく、『日経平均株価』という単位で売買できる上場投資信託(ETF)なんかも人気のようで、わたしがいつも利用しているSBI証券の取引高ランキングにもいつも上位に出てきます。

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一位に来ているのは、日経平均ETFですね。ETFとは、普通の株と同じように売買することが出来る投資信託です。手数料等も普通の株の売買のものとなります。こちらの銘柄は、日経平均株価の値動きと連動するように、定期的にシステムによる売買が発生します。更に、レバレッジ型ですので、日経平均が2%上昇した場合4%、3%下落した場合6%値下がりするように設計されています。

こういった、指標そのもので行う運用は、『インデックス投資』というふうに呼ばれます。という話は、以前の記事でちょこっと書かせて頂きました。

だらだら書かせていただいたので分かりづらかったかと思いますが、

  • インデックスの保有は資産運用としては優秀である。
  • でも『投資』かと言われると違うんじゃない?

が、わたしの考えです。インデックスは、世界中の投資家の行った取引の成果をベースに、資金の振り分け先が決定されますので、『集合知を活かした資産運用』ともいえます。『みんなの意見』を借りるようなものですね。

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 その一方で、何に資金が振り分けられるのかは『みんなのおすすめ』に従うことになります。何に自分の資金が投資されるのかを決めるのが『市場の判断』なのか『ファンドマネージャー』なのかの違いはありますが、基本的にインデックスであれアクティブファンドであれ、誰かに投資先の決定を委ねているという意味では『投資信託』に違い有りません。

個別株の投資であれば、対象となる投資先は企業単位で決めることになりますが、それぞれの企業の発表している財務諸表や株主通信等を読めば、どういった運用がされているのかが分かります。株式とは、議決権・配当請求権・残余財産分配請求権がセットになった『権利』ですので、各種情報から、その価値が市場価格以上だと思えば、買えばいいわけですね。

インデックスも含め、投資信託はその判断をアウトソーシングするわけです。別に、そのこと自体は、何も悪いことでは有りませんし、インデックスの仕組みについて隅から隅まで知る必要も無いと思います。内燃機関の仕組みが分からなくとも、車は運転できますもんね。

ただ、ざっくりでも自分が資金を託そうとしているものについて、その価格の決定プロセスについて抑えておくのは悪くないんじゃないかなあと思いましたので、簡単にまとめてみます。

日経平均株価 

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まずは、日経平均株価。新聞で一番良く目にするものですね。日経平均株価は、東証一部上場銘柄から225社の株価を平均して得られた値です。勿論、純粋な平均ではなく、色々な調整は行われたうえでの平均値にはなりますが、平均値である以上、株価の大きな銘柄の影響を受けやすい傾向にあります。ハイテク関連銘柄の影響が大きい、なんて言われることが多いですね。具体的な銘柄名を上げると、2015年10月12日時点の日経平均株価を構成する比率は、

  • ファーストリテイリング ・・・ 9.56%
  • ファナック ・・・ 4.52%
  • ソフトバンク ・・・ 4.21%
  • 京セラ ・・・ 2.57%
  • 日東電工 ・・・ 1.80%

となっており、ベスト5で22.66%を占めています。つまり、日経平均のインデックスを買うということは、組入225銘柄を買うことであり、投資した資金の1割近くはファーストリテイリングを買っているのと同じということがいえます。(参考:日経平均 寄与度)

さて、銘柄の組み入れ基準ですが、『取引量の大きなもの』を基準として、各業種ごとのばらつきが無いように選ばれています。毎年10月あたまに入れ替えが行われるのですが、今年は、長谷工コーポレーションとディー・エヌ・エーが採用され、日東紡と平和不動産が除外されました。

TOPIX

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次にTOPIX。こちらも、比較的よく耳にするのではないでしょうか?日経平均との最大の違いは、TOPIXは時価総額を元に出された値であるということです。単純に、株価の平均を取るのではなく、企業の規模に応じた重み付けがつけられます。また、東証一部上場の全企業が対象となるため、特定の銘柄への依存度が低いのもポイントです。

構成率は、9月末の時点で

  • トヨタ自動車 ・・・ 4.64%
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ ・・・ 2.73%
  • 三井住友フィナンシャルグループ ・・・ 1.62%
  • 日本電信電話・・・1.56%
  • 本田技研工業・・・1.53%

となり、ベスト5でも12%くらいですね。日本株全体の動きを見ることが出来ますので、ファンドのベンチマークにもよく使われます。また、『一部上企業全体』ではなく、時価総額や流動性で絞り込んだ指数も作っています。

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CORE30あたりは結構有名ですよね。あとは、企業規模とPBRのポジションをベースに計算した指標も出しています。

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日経平均自体、株式市場全体の値動きを見るには良いかもしれませんが、市場全体への投資としては、いびつな構造であると言わざるを得ません。いわゆる『インデックス投資』をしている人も、日経平均を運用対象に考えている人はあんまり居ないんじゃないかなあとは思います。

JPX400

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じゃあ、TOPIXでええやんという話もあるのですが、TOPIXの最大の欠点は、その『まんべんのなさ』ですね。東証一部上場企業というと、それだけで何かのステータスのように思われますが、実際には経営状況の良くない会社も多数あります。TOPIXだと、そういった銘柄も対象になってしまうんですね。そこで、東証と日経新聞社が考案したのがJPX400です。

JPX400は、売買代金や時価総額を元に絞り込んだ銘柄に加え、

  • 3年平均ROE
  • 3年累積営業利益
  • 時価総額

などの財務的パフォーマンスや、社外取締役が選任されているか?IFRSに適用しているか?などのガバナンスの基準も加えた東証の考える優良銘柄で構成された指数です。

最近では、年金機構の投資比率としても上昇してきており、何かと注目の指数です。

こういった、何らかの基準を持って機械的に絞りこまれた指数を『スマートβ』なんて言ったりもします。こういうと何だかかっこいい感じもしますが、あまりに特定テーマに絞り込みをしすぎてしまうと、結局は市場全体の分散効果が得られなくなっちゃうよねー。という問題も抱えています。

さてさて、他にもマザーズ指数やJASDAQ平均などの新興株指数もいろいろあったりするのですが、きりがなくなってしまいますので、このあたりにしておきたいと思います。

ではでは、今日はこの辺で。